日本語NAT-TESTについて
試験の概要
「日本語 NAT-TEST」は、日本語を母語としない日本語学習者の日本語能力を判定する試験です。5つの級(レベル)ごとに、「文字・語彙」「聴解」「読解」の3つの分野の試験によって日本語能力を総合的に評価します。出題の基準と構成は日本語能力試験(日能試、JLPT)とほぼ同じです。
日本語NAT-TESTの利点
国内外で20年以上にわたる実績
日本語NAT-TESTは、1989年に最初の試験が実施されて以来、日本国内だけでなく、中国や台湾、韓国などの海外でも年2回実施されてきた「日本語学力テスト」のノウハウにもとづいて作問されております。日本語学力テストは、多くの日本語学校・日本語教育施設では授業の一つとして採用され、学生の成績評価や進路指導などに積極的に利用されています。
日本語能力試験対策として最適
日本語NAT-TESTの出題の基準や構成は、日本語学力テストと同様に、大学の入学試験や日本留学ビザ発給の際に受験者・申請者の日本語能力を測る目安として一般的に使われている日本語能力試験(JLPT)に準拠しているため、日本語能力試験の事前対策として最適です(たとえば、「日本語 NAT-TEST」の5級と日本語能力試験のN5はほぼ同じ難しさです)。また、日本語能力試験は年に1回の実施ですが(1級と2級は年2回)、本試験は年に6回の実施なので、日本語学習の進み具合をより細かく確認することができます。
すぐに分かる結果、詳しく分かる成績
日本語NAT-TESTを受験されたすべての方には、試験日から約3週間以内に「成績表」が発行されます。成績表には、総合評価だけでなく、部門別・問題別の得点と評価が詳しく書かれ、受験者の得意・不得意が一目で分かるようになっています。また、合格者には「合格証」が発行されます。
高品質の作問
日本語NAT-TESTで出題される問題は、ベテランの日本語教育者や日本語教科書の編集者を含む複数の作問委員によって作成されています。また、作問基準資料として、日本語教育界で定評のある専門教育出版の『1万語語彙分類集』や『語彙別漢字基準表』などが使用され、品質の高い試験問題を保証しています。
厳正な試験運営
日本語NAT-TESTは不正を許しません。公正な試験を行うために、日本語NAT-TESTのすべての受験者は本人確認のための顔写真の提出が義務づけられ、本人の顔写真入りの受験票が発行されます。また、試験当日には、各試験会場の試験監督官が受験票と身分証明書等によって本人の確認を行います。
また、日本語NAT-TESTは、プログラムの厳正な運営のために、すべての受験者、利用者、運営者が守るべきルールとして「日本語NAT-TESTフェアネス・コード」を設けています。皆さまのご協力をよろしくお願いいたします。
級(レベル)と内容
日本語NAT-TESTには5つの級(レベル)があります。もっとも簡単なレベルから「5級」「4級」「3級」「2級」「1級」です。それぞれの級の難しさは、日本語能力試験(日能試)のN5~N1に対応しています。
試験は、1級・2級は「言語知識(文字・語彙・文法)・読解」「聴解」、3級・4級・5級は「言語知識(文字・語彙)」「言語知識(文法)・読解」「聴解」の分野からなりたっています。実際の試験では、これらの分野の試験を半日で行います。
日本語能力試験(JLPT)との比較
日本語NAT-TESTについて日本語能力試験と比較しながら詳しく説明します。
1. 日本語能力試験(JLPT)との比較
日本語能力試験(JLPT)との比較
ここでは、「日本語 NAT-TEST」を日本語能力試験(JLPT)と比較しながらご説明しています。
基本的には、日本語NAT-TESTの出題基準や構成は日本語能力試験とほぼ同じです。一方で、日本語能力試験の模擬試験としても使えるように設計されているので、実際の日本語能力試験と比べると「やや難しく」なっています。
主催団体
日本語NAT-TEST | 専門教育出版 日本語NAT-TEST運営委員会 |
日本語能力試験 | 国内: 財団法人 日本国際教育支援協会 海外: 独立行政法人 国際交流基金 |
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実施回数
日本語NAT-TEST | 年6回(1級と2級は年3回) |
日本語能力試験 | 年2回 |
試験形式
日本語NAT-TEST | 1級・2級: 1)言語知識(文字・語彙・文法)・読解 2)聴解 3級・4級・5級: 1)言語知識(文字・語彙) 2)言語知識(文法)・読解 3)聴解 |
日本語能力試験 | 同上 |
【メモ】日本語においてカタカナ語は日常で頻繁に使用され、とても重要なものです。その多くは外来語ですが、必ずしも外来語本来の音そのものではありません。そのため、“日本語として”の正確なカタカナ表記がどうしても必要だと考えます。
語彙数
日本語NAT-TEST | 5級: 約750語(新出約750語) 4級: 約1,700語(新出約950語) 3級: 約3,350語(新出約1,650語) 2級: 約5,900語(新出約2,550語) 1級: 約10,000語(新出約4,100語) ※詳しくは『品詞別・1級~5級別 1万語語彙分類集』(弊社刊)をご参照ください。 |
日本語能力試験 | 非公表 |
【メモ】日本語能力試験は2010年から大幅に出題方針を変えたために、また、シラバスの詳細は未発表ですが、『日本語NAT-TEST』とほぼ同様のシラバスと考えられます。
漢字数
日本語NAT-TEST | 5級: 約100字(新出約100字) 4級: 約300字(新出約200字) 3級: 約650字(新出約350字) 2級: 約1,100字(新出約450字) 1級: 約1,850字(新出約750字) ※詳しくは『語彙別漢字基準表』(弊社刊)をご参照ください。 |
日本語能力試験 | 非公表 |
学習時間
日本語NAT-TEST | 5級: 200時間 4級: 400時間 3級: 600時間 2級: 800時間 1級: 1,000時間 |
日本語能力試験 | 非公表 |
合格基準
日本語NAT-TEST | (1)総合得点が合格点以上で、かつ、(2)各分野の得点が配点の25%以上であること |
日本語能力試験 | (1)総合得点が合格点以上で、かつ、(2)各得点区分ごとに設けられた基準点以上の得点 |
その他の基準
日本語NAT-TEST | 【アクセント】 基本的には標準アクセントを基準としますが、第2部門の会話等で若い人が日常使用するアクセントも可としています。いわゆる、アクセントの平板化です。 例:グラフ、ドラマ など 【表記】 基本的には一般的な辞書の表記を基準としますが、問題文中では日本人が日常一般にする表記も可としております。ただし、漢字問題としては出題しません。 例:一所懸命、一生懸命 など |
日本語能力試験 | 非公表 |